ミュージカル『NINE』再観劇
劇場で2回(一階前方&後方)+配信で1回。
上手い具合にリトルグイドを3人全員見られました。
休憩中に後ろの席の女性たちが「判りにくい」「難しい」と口にしていたけど、
私は1980年代の日生で上演されたものを見た時まだ10代の学生でしたが、まるで難解だと思わなかったのですよね。
ルヴォー版ももちろんです。
逆に映画版は判りづらい、入り込みづらいと感じました。
過去版を見ているという先入観が邪魔をしているので、今回の藤田演出版が難解かどうかは自分は判断出来ません。
ただそんなに難しい作品だっけ?と疑問でした。
今回はコロッセオのようなセット、ダイナミックな廻り舞台、多言語にスクリーンと、過去版とはまた違った格好良い演出の舞台となっていた。
ただ手法の面白さの方に目がいってしまい、各役柄の魅力、関係性が物足りないと、自分は感じた。
もっともっと女性陣が魅力的で個性的で、みな深くグイトを愛して欲しい。
グイドと各女性陣との関係性が物足りないのだ。
役者さん皆さん上手いのだけど、何だか薄味。
この辺り、密な稽古が出来ない状況なのかとも思う。
ただママとグイドの関係は、濃く押し出されていた。
それとアンサンブルさん含め、みな女優さんが綺麗すぎる。
すらりとした人ばかりで、それはそれで素敵なのだけど、過去版は身長も体型もバラエティにとんでいた。
夢のような舞台を目指したのかとも思うが、個性という点では寂しい。
例えばサラギーナ。
歌も芝居も非常に上手い。聞き惚れた。
でも役の造形が綺麗すぎて、背徳感が薄い。
過去のサラギーナと違う路線にしたかったのか。でもそこはあえて変える所なのか。
従来通りの豊満なビジュアルの女性の方が、猥雑で背徳感のある場面になると思うのだか。
(映画版もキレイな女優さんで、上手いのだけどなんか違うと思った記憶)
そして「Be Italian 」が舞台の奥て展開されるので、客席から遠い。
カルラも何だか健康的。
全体的に配信で見た方が、スクリーンや舞台の造りがよく判って楽しめた。
それとすみれさんの台詞はどうにかならないのか。
さすがに何年も日本の舞台に立っているのだから、もう少し日本語の台詞を頑張ってほしい。
今回ラストでグイドの撃った拳銃が空砲でしたが、あえて空砲だった意味を考えているが、自分なりの答えが導けない。
配信のインタビューで、藤田さんはラストは再生・希望と言っていたと思うが。
想像の余地かあるのが「NINE」の良い所。
前回の感想で、日生版、ルヴォー版のラストも載せてます。
ちなみにルヴォー版のタイトルは「nine The Musical」でした。
色々書きましたが、改めて自分はルヴォー版を深く愛していると思い知りました。
美しい舞台美術も好きでしたが、何より人物描写、グイドと女性達の関係性が丁重に描かれていた。
今後「nine」がどんなプロダクションで上演されても、ルヴォー版を超えるものは見られないのではと思うくらい、全てが素晴らしかった。
(ルヴォー版の事ばかり書いて申し訳ない)
もちろん今回の演出版も楽しかったですよ。
藤田さんの演出は丁重です。
でもカーテンコールの最後だけは、ルヴォー版を継いでほしかった。
最後は必ず大人と子供のグイド2人での挨拶なのですよ。大好きだった。
今回子役さんのレベルが高くて驚いた。
特に22日の配信の時の熊谷くん。
綺麗な声で伸びやかに歌う。素晴らしかった。
東京公演は無事終了。大変な状況だが、大阪公演も頑張って下さい。
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