『常陸坊海尊』
『常陸坊海尊』
KAAT 神奈川芸術劇場
作・秋元松代
演出・長塚圭史
音楽・田中知之(FPM)
出演
白石加代子 中村ゆり 平埜生成 尾上寛之
長谷川朝晴 高木稟 大石継太
明星真由美 弘中麻紀 藤田秀世 金井良信 佐藤真弓 佐藤誠 柴一平 浜田純平 深澤嵐
大森博史 平原慎太郎 真那胡敬二
<子役> 山崎雄大 白石昂太郎 室町匠利 木村海翔 藤戸野絵
プレビューを観劇。
何というか、どういう風に自分の中で解釈すれば良いのか、もの凄い考えしまう芝居だった。
でも久し振りに脳をフル回転して、疲れたけどそれも心地よい。
戦中の日本の片田舎。
衣川の戦いで死んだ主君義経を見捨てた罪を負い、不老不死で700年この世を彷徨う事になった海尊。
その海尊の妻と称するおばばと美しい孫娘、雪乃。
学童疎開でやって来たこども2人。
空襲で親を亡くしたこどもたち。帰る場所がない2人の子供は、救いを海尊に、おばばに求めていく。
疎開先の宿やの主人と、都会から厳しい教師の交わす言葉の数々。
海尊の伝説は、こんな風に残っていたのかと驚く。
2人の子供、啓太と豊。やがて啓太は神隠しとして消息を絶つ。
圧巻は三幕。観光客もやってくるような神社で再会する啓太と豊。
その後の2人のやり取りが一番印象に残った。
雪乃に抗えず、おばばをミイラにする事に手を貸し、啓太は生きる屍のよう。
啓太に会いたかった豊と、今の啓太を拒否する豊の心。彼もまた雪乃の磁力に引き込まれてしまったのかどうなのか。
密航してまで露西亜に行こうとした男は、雪乃から逃れられたのだろうか。
時代をまたがり現れる海尊の存在とは何なのだろう。
穢れなのか。(三幕の啓太は「穢れ」だと感じた。神社の下男である事を含めて)
そして人の罪を引き受けて漂っていく魂。
舞台装置がシンプルだけど、非常に美ししかった。
やはり消化しきれていない…。
長塚さんのトークがあった事を知る。今更ながら聞きたかった。
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