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『母と暮せば』

こまつ座『母と暮せば』
紀伊國屋ホール

監修 山田洋次
作 畑澤聖悟
演出 栗山民也
出演 富田靖子 松下洸平

一瞬で命を奪われた息子の幽霊が、ある日生き続ける事に疲れてしまった母の元にあらわれて…。

非日常なストーリーなのに、日常の風景をさらりと描く脚本。
その世界観に自然に存在する、母と息子を演じる2人。

それだけにこの普通の親子の、当たり前の日常が壊れるという悲劇が辛い。

舞台の上には富田さん、松下くんの2人だけ。

母と子の造形が本当に何処にでもいる優しい親子で。
助産婦をしながら、ご飯を作る母と、医大で一生懸命勉強する息子。
息子にはちゃんとガールフレンドもいる。

その当たり前の風景が何故永遠に失われなければいけないのか。
辛くて切なくて堪らない。

それでも生きて来た母を原爆症が苦しめる。
心の世の所であったろう、助産婦の仕事も奪われた彼女に、簡単に頑張って生きてなんて言えない。

息子の幽霊に「私も連れて行って」と言う台詞の堪らなさ…。

あの優しいお母さんが、少しでも生きやすくなって欲しい。
息子さんとともにそう願う。

富田さん、松下くんの自然な芝居が本当に素晴らしい。
濃密な時間を劇場で共に過ごせた。

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