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こまつ座『たいこどんどん』

こまつ座『たいこどんどん』
紀伊國屋サザンシアター

作 原作/井上ひさし
演出/ラサール石井
出演/柳家喬太郎、江端英久、
有薗芳記、木村靖司、俵木藤汰、野添義弘、森山栄治、小林美江、
酒井瞳、新良エツ子、武者真由、あめくみちこ

江戸の薬種問屋の若旦那・清之助と太鼓持ちの桃八。
品川で薩摩の侍と揉め事を起こし、飛び込んだ海から流れ流れて釜石へ。
艱難辛苦の旅を続け、ようやく江戸に帰り着いたが…という筋書き。

主役二人以外は何役も兼ね、特にヒロイン的ポジションになる女優さんは重要な役回を担う。
2人の旅の発端となる若旦那と馴染みの品川の芸者・袖ヶ浦をはじめ、要所要所で若旦那を誘惑し、転落させる女となる。

若旦那が「袖ヶ浦に似ている!」となるのが、見ている方としてはおかしい。
観客みな「同じ女優だから当たり前だろ!」と心の中で突っ込んでいるに違いない。

『たいこどんどん』、演劇ファンとしては2011年5月に蜷川幸雄さん演出版も記憶に新しい。
桃八・古田新太、若旦那・中村橋之助(現・芝翫)というコンビ。
実は勘三郎さんで企画していたらしい。夢の勘三郎・古田コンビ、切実に見たかった!

ヒロインは鈴木京香さん。旅の登場人物はほぼ地元の方言となる為、東北出身の京香さんはハマり役だった。

2011年の上演は震災のあった直後の上演。
ソワレが終わり劇場を後にすると、渋谷駅までの道のりが信じられないくらい暗かった。
そんな中2人で釜石、遠野、盛岡、塩釜と旅していく姿は、何とも言えず胸に迫るものがあった。

私は古田さんのファンだが、此処10年くらいの出演舞台の中では、桃八が一番素晴らしかったと思う。

今回のこまつ座、ラサール石井演出版は、奇をてらうことなく、戯曲と向かい合った芝居となっていた。
時代が移っても、意に介さず逞しく生きる庶民。
その一方ラストシーン服装を変え、「日本はこれから変わる」と歌う群衆の不気味さ。

舞台装置は簡素だが、何故かちょっとした事に歌舞伎っぽさを感じた。

柳家喬太郎さん、さすが本職の落語家さんだけあり、一幕が圧巻。
一幕の二人の珍道中といえる旅は見ていて楽しい。

二幕、桃八が啖呵を切る場面、ボロボロになった清之助が桃八を叱咤する場面、2人の意地や根底の強さが響いてくる。

改めて『たいこどんどん』、良い脚本である。

この先も上演の機会はあると思うが、望みをいうならもう少し若い俳優さんでも見てみたい。
芸達者な方では無いと厳しいのだろうが(特に桃八)、若旦那と駆け出しのたいこのコンビなので。

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