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『Take me out 2018』

『Take me out 2018』 DDD青山クロスシアター

作:リチャード・グリーンバーグ 翻訳:小川絵梨子 演出:藤田俊太郎
出演:玉置玲央 栗原類 浜中文一 味方良介
小柳心 陳内将 Spi 章平 吉田健悟 竪山隼太 田中茂弘

初演は未見。
劇場で貰うフライヤーで何となく惹かれてチケット購入。

これが大当たりでした。
まだ公演はじまったばかりなので再観劇も出来るではないか!

膨大な台詞と細やかな人と人との関わり。ぶつかり合う感情。
人種、差別、社会的マイノリティ…。
2時間の間に何と多種のテーマが織り込まれているのだろう。

俳優さん、みな若いのに素晴らしい。
演出の力と俳優さんの頑張りが真摯に伝わる良い舞台だった。

残念ながら平日の夜だったこともあり、多少の空席もある。
演劇好きな人、ぜひ足を運んでほしい。

MLBが舞台という知識のみで、出演者もほぼチェックせずの観劇。
でも脚本が実に面白く、出てくる登場人物がみな個性的で、演じている俳優さんの名前をきちんと覚えたいと思いパンフレットも購入。
自宅の保管場所に限界がきているので、滅多にパンフ買わないのですが、ついつい…。

物語は大リーグのチーム、エンパイアーズのスター選手、ダレンのカミングアウトからはじまる。
客席は対面式に配置され、開演前の舞台にはフェンス。
野球場のフェンスかと思ったら、開幕と同時に出演者がこれを動かし、メジャーリーグのロッカルームになる!驚いた。

彼らの来ているユニフュームはニューヨーク・ヤンキースを思わせる。背番号のみで選手名が無い。
ダレンの親友でライバルであるデイビーの着ているユニフュームは、メッツに似ている。
調べたら2003年は実際にヤンキースがア・リーグ優勝。ワールドシリーズは敗退とか。

ダレンは白人と黒人のハーフで誰もが羨むスター。演じている章平さんが、ビジュアルといい佇まいといい説得力がある。とても「陽」な空気を持っているし、男の色気がある。何て素敵な役者さん。
ゲイであると告白した事で、彼ははじめて哀れみや同情の視線に晒される。

チームメイトの反応も様々だ。好意的なもの、否定的なもの。
中でもマイナーから這い上がって来たシェーンは、彼に侮蔑的な発言をし、それが大事件となっていく。

チームのムードメイカー的なキッピーは、語り手的な役割も果たしとにかく台詞が多いが、淀みなく素晴しく聞き易い。

シェーンは栗原類さん。長髪で細身でテレビで見るあのビジュアルのままだが、それがチームの中、いや社会の中で異端であるシェーンとしてきちんと成立している。
(良い言い方では無いが)まともな教育を受けてきていないシェーンは、人種・ゲイを差別する事を当然だと思っている。
彼はその後、ある事件でマウンドに立つ権利を永遠に失うのだが、ただ野球がしたい、投げたい、俺は役に立つと叫ぶ姿に圧倒された。。こちらの心を抉ってくるような凄まじさだった。

ダレンの親友だったデイビーは、敬虔なキリスト教徒で如何にも理想的なエリート。だから親友「だった」となる。

シェーンとデイビーの結末は余りに衝撃的で、自分はどうもその物語を上手く受け止めていないようだ。

ダレンの会計士となるメイソンが、また愛すべき人物だ。演じた玉置玲央さんが小柄なので、野球選手たちとの体格差が効果的。
野球など見た事なかったメイソンが、(少々ウザいくらいに)熱く熱く野球の素晴らしさを語るのも、野球好きとしては頷ける。

この役、前回は良知真次さんだったのか。見たかった!

「Take me out to the ball game」。
7回に流れる「私を野球に連れて行って」。

メイソンの事でもあり、2人のラストシーンを見るとダレンの事でもあるよう。

でもやはり野球から引き離された登場人物の事も引っかかってしまう。

まだまだ書き切れないが個性あふれるチームメイトたち、みな良かった!
日本人投手カワバタはお弁箱持参だった。投球フォームが野茂英雄っぽい。細かい所まで楽しい。

前述した通り後半の怒涛の展開からのラストシーンは、もっと色々考えたいし、受け止めたい事が多いので、何としてももう一度見る予定。
仕事忙しいので体力的にも厳しいのだが、この年まで来ると「再観劇したい」と思う芝居との出会いは貴重なので頑張ります。

本当に面白かった!

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