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『近松心中物語』

シス・カンパニー『近松心中物語』
新国立劇場 中劇場
   

2度目の観劇。

前回の感想にいまひとつと書いてしまい申し訳ありません。
凄く良かったです。
いのうえさんの演出ならではの近松だった。

前回実は一番不満だったのが堤さん。

梅川忠兵衛のカップルは難しい。ひたすら美しさと悲劇を魅せなければいけない。
前回観劇した時は、二人が心中する程の恋情も、追い詰められている過程も、何処か物足りなさを感じた。

だが今回は違った。

ただただお互いが愛しい2人。

かつての「近松心中物語」の梅川忠兵衛が狂気のように燃え上がる恋なら、今回はただお互いへの愛しさがつのる恋。
二人で居る時は、心があたたまるよな幸せを感じていたのかもしれない。

恋故に身を亡ぼす忠兵衛は愚かだけど、不思議と彼を憎めない。堤さんの忠兵衛はどこか可愛らしい。
梅川もそんな彼が好きなのだろう。

凄く純粋な2人。
2人だけの世界へ逝ってしまうのに納得出来た。

八右衛門と忠兵衛の関係も面白い。
今回の近松では八右衛門の言う事がいちいち正論に聞こえて、それだけに忠兵衛の愚かさも伝わる。

もちろん自分自身の保身もあるが、何だかんだ言って八右衛門も忠兵衛を案じている。

新町の舞台美術の美しさと、心中場面の舞台美術。
今回は遠めの席だったが、離れて見た方が効果的だった。

あの美しい赤い格子のセットが劇場の奥に吸い込まれていく場面。
かりそめの美しい世界が遠くに行ってしまうようであった。

お亀与兵衛の心中場面の波幕。梅川忠兵衛の降り積もる真っ白な雪と一本の木。
まるで浮世絵だ。。

前回の感想でも書いたが、どんなに良い芝居も、上演の機会が無ければ消えていくだけ。
遺産が受け継がれていく事は、本当に素晴しい事だ。

2度目の観劇して、本当に良かったです。

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