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『バグダッド動物園のベンガルタイガー』

『バグダッド動物園のベンガルタイガー』
2015.12.9 ソワレ 新国立劇場 小劇場 

脚本 ラジヴ・ジョセフ
演出 中津留章仁
出演
杉本哲太、風間俊介、安井順平、谷田歩、粟野史浩、クリスタル真希、田嶋真弓、野坂弘
 

「酔ったアメリカ兵がトラを射殺─」2003年にバグダッド動物園で実際に起きた事件に想を得て書かれた、アメリカの劇作家ラジヴ・ジョセフによる話題作。(公式HPより)

イラクで起こった戦争が背景にあるが、戦争によってどこかイカれてしまった人々(+トラ)の物語という印象。

この物語の舞台は2003年、私がシリアに旅行したのが2008年。
今は2015年である。

射殺されたトラは幽霊となり、肉食動物である自分の罪を見つめながら、自分を撃った兵士に取り付く。
舞台上にうろつく不思議なトラの幽霊の存在。
取り付かれた兵士は、狂気に囚われ、自ら命を絶つ。
そして死んだ筈の兵士が、今度は片手をトラにちぎられた元相棒に取り付く。

非現実的な物語だが、非日常の中に身を置くと、幽霊も見えるのかもしれない。

兵士たちに関わる重要な人物が、イラク人の通訳・ムーサだ。

彼は妹の幻を見ながら、殺されたフセインの息子の幽霊に取り付かれている。
彼は本当は庭師で、砂漠にトピアリーの美しい庭を作っていた。
それは独裁者の庭だ。

この通訳を顎で使うのが、片手を失ったアメリカ兵・トム。

ムーサが安井順平さん。
トムが谷田歩さん。

この2人の話が中心となる後半は、俄然舞台が面白くなった。
略奪した宝を探すトムと、武器が欲しいムーサ。
砂漠の中で、幽霊に取り付かれ、どんどん頭のネジがいかれていく。

谷田さん演じるトムは、まさに嫌なアメリカ兵。
フセインの息子たちの隠れ家に突入したという事は、きっと兵士としては優秀だったのでしょう。
片手を失い、歪んでいったのかもしれない。
冒頭の動物園のトムは、イカれた兵士だけど、もう少し明るかった。

安井さん、当初配役を見ていなくて、上手い役者さんだなと休憩時間にお名前確認。
『地下室の手記』の方か!
ムーサが少しづつ普通の感覚を失っていくのが、リアルで怖くもあり、哀しくもあった。

観劇後もこの舞台で見たことを、つらつらと考え続けているが、なかなかまとまらない。
戯曲そのものも、まとまっている話では無いが、そのとッ散らかり方が私は逆に好きだった。如何にもイカれた戦争という感じで。

27日まで上演。

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