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ナショナル・シアター・ライヴ 『リア王』

ナショナル・シアター・ライヴは『フランケンシュタイン』以来。
TOHOシネマズ日本橋はほぼ満席。
一日一回で一週間に満たない上演期間は短すぎる。

シェイクスピアの戯曲は色々な演出で見られるが、今回は衣装は現代風。
スーツだったり、戦闘中のコーネリアは迷彩服で医者は白衣。戦闘場面では爆撃音のようなものも聞こえる。
スーツ姿の男性陣はマフィアのようだと思ったら、グロスターが拷問される場面は舞台は、禁酒法時代のマフィアの地下室のようだった。

見た目を現代に近くした事で、より救いが無く、リアルで残酷な物語である。
最後は累々と舞台に屍が横たわる。

またリア王をはっきりと認知症と位置付けている点が興味深い。
非情で親不孝な姉たちという単純な話では無く、傲慢な父親と相当な確執が過去にあったのだろうと想像させてくれる。

そりゃ末娘ばかり可愛がっていたのに、老いたら面倒みろ(財産はあげるけど)、側近100人連れて来て、好き勝手放題されたら、お姉さんたちもキレますよ…。
「老いては子に従え」という格言が、思わず浮かぶ。

もちろん姉たちも十分酷いし、強欲であるが。
コーデリアも頑なにならず、上手く父親を引き取る方向に持って行けば、こんな大変な悲劇は起こらなかったのに。
登場人物の愚かさが、実によく描けていた演出だと思う。

蜷川さん演出版の時も感じたが、主軸であるリア王の物語よりも、グロスター卿と2人の息子の物語の方が私には魅力に感じる。
息子と名乗れないエドガーが、盲目となった父の手を取り荒野を彷徨う場面は、やはり感動的。

そんな訳で非常に面白かったのだが、あの目を背けたくなるような残虐描写(グロスター卿の場面です。よりにもよってあんなもので…)は日本人の感性には合わないのかなとも思った。
元々自分がグロテスクは苦手というのもあるが。

歌舞伎等でもそれこそ生首を前に食事をしたりとか、異常で残虐な描写は沢山あるのだが、こちらは何故か平気。
蜷川さん演出のシェイクスピアものでも、『タイタス・アンドロニカス』とかもっとグロテスクだが、こちらも平気。
美しくもあるグロテスクさなのでしよう。
『リア王』でも、池内博之さん演じるエドマンドは、歌舞伎の色悪っぽい役作りだったと思う。

本当に色々な事を考えさせられたナショナル・シアター・ライヴ 『リア王』。
今後も「ハムレット」「オセロ」が控えているので、とても楽しみ。

余談だが、リア王で検索してたら、ニコニコで「認知症の始まった暴君が自業自得で哀れな最期を遂げる悲劇」と書かれいて、身も蓋もない表現と思いつつも納得した。

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