エレジー
『エレジー』
作 清水邦夫、演出 西川信廣
平幹二朗さん主演。
脚本が素晴らしすぎる。もちろんその脚本を最大限に生かすキャストも。
私が観ていて感じた事。多分脚本家の意図とは外れていると思うが。
所詮完璧な人間などいない。
どこかに傷を負い、欠けている所を、お互い優しく補っていけば良い。
そんな風にゆっくりと、でも精一杯生きている人達の中で、医者でエリートで世間では勝ち組と言われる存在は、逆に異質だ。
彼が振りかざす紛れもない正論を、聞いているだけで苦しくなる。
小さな安らぎを求めることの、何が悪いのだろう。
そんな事を思いながら見ていた。
平さん上手すぎる、本当に。
台詞が無くても、そこに立っているだけで、雄弁に観客に伝えてくれる。
僅かな心の交流を失った彼の老後は、どうなるのだろうか。
とても切ない話だった。
古い家が舞台なのだが、セットが非常に凝っていた。
あんな家で、庭を眺めながら、ゆっくりお茶を飲むのは、実に贅沢な時間だろう。
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