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たいこどんどん その1

『たいこどんどん』

シアターコクーン 
5月14日(土)ソワレ 一階前方
5月21日(土)ソワレ 一階後方

作・井上ひさし 演出・蜷川幸雄
音楽・伊藤ヨタロウ
出演  中村橋之助 古田新太 鈴木京香 六平直政 瑳川哲朗 ほか

見終わった時に打ちのめされてしまうような芝居だった。
3時間半という長時間であったが、全く緊張感が途切れず。
舞台に自分の気力・体力を奪われてしまった。

本当に何故この時期にこの戯曲だったのか。
舞台の企画なんて、相当前にたてられている。
古田さんは昨年の『鋼鉄番長』の時に、「来年はコクーンで」と言っていた。

何故3/11の震災で、東北が、東京が、日本が打ちのめされてしまった後に、この芝居が上演されたのか。
演劇の神様の配剤なのか、井上ひさし氏の想いの強さなのか。
今の私たちに、ぐさりと問題を突きつけるような芝居だ。

もちろんそういう時代の要素以外にも、非常に演劇らしい演劇で、とても楽しかった。

江戸日本橋の薬種問屋の若旦那・清之助と、忠実なたいこもち桃八が、ひょんなことから漂流して、拾われた船に連れて行かれたのが東北・釜石。各地を転々とする九年の珍道中がここから始まる。二人には思いもかけないような災難が次から次へと降りかかる。流れ流されたあげくようやく「江戸」に戻ってくると・・・。
(シアターコークンHPより)

劇場に入ると赤いちょうちんが飾られている。
三色の定式幕と柝の音が響く歌舞伎風の舞台。
書割のセットやそれを動かす黒子さん、挙句に差し金まで登場した。
一方背景には「十二夜」で登場したような、客席をも映す大きな鏡。

「十二夜」で鏡を使った時は、何の効果を狙ったものかさっぱり判らなかったし、船といい、何だかすぐ近くで上演されていたスーパー歌舞伎のパクりのようで、私にとっては印象最悪だった。(まだ言うか!)

今回の鏡がどういう意図か、本当の所は判らないけれど、繰り広げられる舞台の後ろにぼんやり映る自分の姿に、この物語は幕末の江戸ではなく、今の東京でもあるのだよと、言われている気がした。

江戸は日本一。
日本橋で越後屋で富士山が見えて。
私が子供の頃は、地元の駅の階段を登ると、窓から富士山が見えた。もちろん今は見える訳が無い。

その江戸を体現しているような若旦那と太鼓持ち。
粋で、洒落が判って、遊び上手で、三味線も堪能。
でも生活能力ゼロ!
そんな彼らが、運命の悪戯か、東北の釜石に放り出されてしまう。

そこからは2人のまさに珍道中。
女にだらしくなく、すぐに騙される若旦那の清之助。
そんな清之助が好きで好きで仕方の無い、太鼓持ちの桃八。

悲惨な運命に次々合うのだけど、とにかく笑えるし、おかしい。
2人のコンビが絶妙。圧倒的な台詞の量。
橋之助さん、古田さん、お疲れ様です。

この2人が歩く道、話に出てくる地名が、釜石、遠野、盛岡、塩釜などなど。
この芝居の中では、きっと凄く綺麗な風景が広がっているのであろう…。
今はどんな景色になっいるのだろうか。

古田さんは少々台詞を噛むこともあったが、あの軽妙な間の取り方で、客席を爆笑させる。
圧巻は二幕冒頭。若旦那に裏切られ、鉱山に売られて、その過ごした数年を、たった一人で語る場面。

淡々と壮絶な炭鉱での生活と、若旦那への深い恨みを語るのだが、結局本人に会えたら、けろっと許してしまう。

それにしても古田さん痩せた!
一幕の袖ヶ浦の場面で、褌姿になるが、かなり引き締まっていたぞ。
二幕炭鉱でのぼろぼろ姿から、お座敷で普通に着物に羽織姿で、富本節を語る場面の、早変わりは凄いスピード。
舞台上で次の場面の為に、2人で着替えたりとか、いかにも演劇っぽくて楽しい。

長くなってきたので続く。

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コメント

花梨さん、こんばんは!
井上さん+蜷川さんのお芝居は、
いつも観終わった後ずしんと胸の中に落ちてくるものがあるのですが、
このお芝居もまたその感覚がとても強かったです。
この時期にこの戯曲をやる意味を、私も考えずにはいられませんでした。
個人的にとてもきつかったですが、でも観ることができて本当に良かったです。

でもって、花梨さんと同じ日に観劇していたことに気づきました!
しかも私も1階前方でした。
気づかずすれ違ってたかもですねv

恭穂さん、こんばんは。
BLOG見て、同じ日、しかも席近い!と驚いてしまいました。
私はD列のセンターブロックでした。張り切って着物まで着てました。
お会いしたかったです~。

あああ、恭穂さんと語りたい。この舞台に夜を徹して語り合いたい。
同行者がいたのですが、何せ終演が遅くて、飲みにも行かれず…。

> この時期にこの戯曲をやる意味を、私も考えずにはいられませんでした。

ですよね。私は何かちょっと戦慄してしまいました。

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