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『絢爛とか爛漫とか』モボ版

モガ版→モボ版→モガ版と観劇。
千秋楽近いこともあり、三回とも満員でした。何の気なしに見に行ったら、非常におもしろくて、結局通う結果に。
とても嬉しい出会いでした。

まずはモボ版の感想です。

【スタッフ】
作:飯島早苗 演出:御笠ノ忠次
照明:津村裕子 音響:前田真宏 美術:魚住和伸 衣装:中村洋一

【キャスト】
古賀…土屋裕一
泉……日比大介
諸岡…加藤啓
加藤…及川健

まずは両バージョン通して、素晴らしかったのが舞台美術&衣装
幕は無く、開演前からセットが見えるのだけど、ここは文香=古賀の部屋。離れの和室。
上手に文机、下手に本棚(モガ版は+鏡台)。
モガ版は文机の上に一輪差し、モボ版は下手に花瓶。
舞台は全部で4場、春・夏・秋・冬。この花が、季節毎に変わります。桜(?)→百合→秋桜(?)→椿。
舞台奥には雪見障子があり、廊下の向こうに庭が見える。その庭には桜が散り、何と本物のニワトリがいます!(モボ・モガ両方通じて、唯一の両バージョン出演者だそうです。)

セットも風鈴がプラスされたり、秋からは障子が下ろされたり、小道具がモボ・モガで違ったり、とても凝っている。
衣装も4人の個性と季節感が出ていて、特に女性の衣装が(衣装はどうしても女性版のが見応えあるのは、仕方が無い)、見ていて楽しいです。
モガ版は、文香とすえが着物。文香は絣っぽい柄、すえはクラシックな花柄。二人とも半襟がカワイイ。
戯曲を買いましたが、初演の写真を見ると、4人の衣装のコンセブトは同じなのか、と思ったら衣装は同じ方のようで。
特に夏の場面は、諸岡が白い単衣になったり、文香が浴衣だったり(寝込んでいるからだが)、季節感があって素敵です。

最初にモガ版を見ていたので、ではこの芝居は男性だったら、4人はどういうキャラクターで、どういう展開になるのだろうか?ということが気になった。
文香=古賀、まや子=泉は比較的予想の範囲内。大きな違いは無い印象。4人の中でのそれぞれの立ち位置が同じ。

薫=諸岡、すえ=加藤に関しては、かなり違った。
これはモガ版の方が後から書かれたことで納得。モボ版のパロディとしてモガ版をみた時に、いじりやすいのはこの二人だ。

実際上演時間もモガの方が長い。元の戯曲がモガの方が、若干だが台詞など多めなのだ。(でもページにすると10P以内だった。)

なのでモボ版を見たら、非常にまとまりが良くて、テンポが良くて、その反面モガ版のようなしつこさが無いことが物足りなくもあり、終演後に時間が早いので驚いたりもした。

その分、古賀の苦悩の割合が大きくなっている印象。

4人+見えない出演者、古賀の家の女中、おきぬ。この存在はモボ版の方がリアルだ。
これは古賀の方が、おきぬに対して直接的な感情を抱いているからか?
それと暗転の最後に、おきぬが必ず花瓶の花を変える。この演出が存在感を増しているのだろう。

私は古賀を演じた、土屋裕一さんがかなり気に入りました。
特に夏の場面は、古賀の苦悩がリアルに伝わる場面。ここで泣きました…。

春、夏とテンポ良く進んで、いよいよクライマックスというべき秋の場面。
前半は無人島に行ったら、同性でも××ネタで大いに盛り上がり(笑いすぎて、椅子から落ちるかと)、後半は小説を止める諸岡の話が心に重い。

才能がありながら、小説を止める理由は、やはり男性版らしいな、と思った。

理由の違い。

諸岡…鉄道会社の社長の妾腹の息子。正妻の長男が病気で、はじめて父と家に認められ、迎えられる。
……お見合いでお嫁に行くが、子供が出来ず離縁され、実家にも疎まれる。その事情を全て知って、プロポーズした相手と一緒にブラジルへ移民。

これは、私は女性だから、どうしても薫の心情に涙が止まらなかった。特にまや子の「薫は生活者になりたかった」という台詞が好きで。
男性が見たら、きっとまた違うだろうし、女性でも、モガはリアルすぎて駄目という意見もあるかもしれない。

秋の場面は、ヴェロナールを飲んで倒れる、古賀で終わる。芥川龍之介も飲んでいたという薬だ。
おきぬに縋ろうとして、縋れない。

エピローグともいえる冬の場面。
笑いあい、楽しく夢を語った4人のうち、二人はいない。
書くべきものを見失っていた、文香=古賀は、ここで新しい小説を、まや子=泉に語るのだが、この小説は、モガ版の方が纏まっている。それでも古賀役の土屋さんの語りに引き込まれる。
聞いてる、泉役の日比さんの、上品な佇まいも印象的。

モボ版で良いなと思うのは、ラスト、結局おきぬにふられてしまう古賀と、他の男の子を身ごもった相手を、嫁にする泉。
このラストはモボ版の方が好き。

バンカラで破天荒な諸岡役の加藤啓さん、親へのコンプレックスかに逃れられない加藤役の及川さん、みな良かったです。

しかしかつては古賀を京さんが演じてたのね。見たかった…。

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 激動の時代であった明治と昭和に挟まれ、短いながらも絢爛かつ爛漫な文化が華開いた大正を時代背景に、小説家を志す青年の成長を同じく小説家を志す友人らとの交流を軸に描いた作品です。  芝居を観ているというよりも、小説を読んでいる、朗読を聞いているという感じの作品でした。 ※[シナリオの設定は昭和初期のようですが、作品の雰囲気は、むしろ大正末期でしょう。昭和にはいると、1927年(昭和2年)、中国大陸(山東省)へ日本軍派遣、1928年(昭和3年)、張作霖爆殺(日本軍の謀殺?)、1929年(昭和4年)... [続きを読む]

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