流山児★事務所「リターン The Return」
流山児★事務所「リターン The Return」
原作:レグ・クリップ
演出:流山児祥
出演:千葉哲也/大路恵美/阿川竜一/北村魚/塩野谷正幸
Space早稲田 (東京都)
オーストラリア演劇の小劇場作品、最終電車である地下鉄の車両に乗り合わせた
5人のスピーディーな話で、1時間35分。
対面式の舞台、客席は両方。真ん中に電車の社内。左右に出入り口。
無駄のない空間での、台詞の応酬。
途中、見ていて、何か圧倒的な力に、押しつぶされそうになった。
底辺にいる人間の、あがいても這い上がれないどう仕様もなさ、
今の日本の格差社会にも繋がり、見ていて辛い。
だが、どんな人にも真実があり、その真実がこの戯曲の最後のどんでん返しに繋がる。
おもしろかった。ドラマチック・オーストラリア参加作品といえば、
昨年『花嫁付き添い人の秘密』を観劇したが、戯曲が悪いのか、演出が悪いのか、かなりいまいちでしたが、
こちらのオーストラリア戯曲は、素晴らしかったです。
流山児★事務所、見に行ったの高校生以来かも。
何度か行きたい演目があってチェックしてたのだけど、日程が合わなくて見送っていた。
次の真夏の夜の夢も行きたいのだが、多分旅行中かも…。残念。
それにしても、脚本の展開と、どんでん返しには驚いた。
大路さんのリサが、絡まれても、電車を降りなかった辺りで、何かあるな?とは思ったが、その後も驚きの連続。
結局千葉さん演じるスティーブに、一生抱え込むべき真実があり…。
作家が溺愛していた、ゲイの弟。この物語には直接は出てこないけど。
きっと優しくて、真面目な青年だったのだろう。
作家には、弟がゲイであることは理解出来ても、スティーブのような、社会の最下層にいる人間と関っていたのは、きっと理解出来なかったのだろう。
1時間35分の芝居だったけど、今だに自分のエネルギーを吸いとられた感じです。
« 蓮絲恋慕曼荼羅 | トップページ | もうすぐ『マクベス07』 »
「芝居・一般」カテゴリの記事
- 『ローズのジレンマ』(2021.02.25)
- 『INSPIRE 陰陽師』(2021.01.21)
- LV『両国花錦闘士』(2020.12.20)
- 『ガールズ・イン・クライシス』【配信】(2020.12.15)
- 新国立シェイクスピアシリーズ(2020.11.07)
堪能して頂いたようでよかったです。
私は結局4回観劇してしまい、いまだに登場人物のことを、いろいろ考えてしまって、
まるで実在する人物のように、私の中ではなってしまいました。
それだけ演じた皆さんに存在感があり、またあの空間ですべてを浴びた感じがしています。
投稿: 水記 | 2007年4月 8日 (日) 12時16分
水記さん、こんばんは。
4回とは凄い!私はもう1回で、全身の力を舞台に吸い取られた感じで、
ふらふらしながら帰りました。
でもホントにあの人たちは、あの後どうしたんでしょうね。
特にリサが気になる…。
投稿: 花梨 | 2007年4月 9日 (月) 01時13分