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『トーチソングトリロジー』 感想

『トーチソングトリロジー』

作:ハーヴェイ・ファイアステイン
上演台本・演出:鈴木勝秀
CAST
アーノルド:篠井英介
エド:橋本さとし
アラン:長谷川博己
ローレル:奥貫 薫
ディビッド:黒田勇樹
ベッコフ夫人:木内みどり
エミ・エレオノーラ(VOCAL&PIANO)

とにかく素晴らしい芝居でした。篠井さんを見るためだけに、チケット代と時間を使っても、お釣りが来るくらい凄い演技でした。
全体は三部構成。かなり長丁場の観劇になりますが、全く時間を感じさせません。

【第1幕】 50分
アーノトルドと恋人エド。ゲイである自分を恥じ、女性の恋人を持つエド。

【第2幕】 50分
エドとその恋人ローレンが過ごす別荘に招かれる、アーノルドと新しい恋人アラン。

【第3幕】 70分
養子デイビッドを向かえるアーノルド。ローレルと別れ話が進むエド。
息子を愛しているが、息子がゲイであることを認められない、母・ベッコフ夫人。

スズカツさんの演出は、時にちょっとあざといかなとも感じる。蜷川さんとは違ったあざとさ。悪く出た例が「L5Y」かな。
今回一幕のセットの動かし方に、当初違和感を感じたのだけど、恋人通しでありながらすれ違う二人。舞台でなかなか同じ場所にいない二人。その効果が出ていたと思う。(でもあんまり好きじゃない。)

二幕の大きなベットの効果はおもしろかった。

実は一番シンプルに作っていた三幕が、一番心に響いた。
これは篠井英介&木内みどり、二人の演技が凄かったからだと思う。良い味を出していたのが、黒田勇樹くん。テクニカルな部分ではないのだけど、公園のベンチでエドにパパになっても良いよと語りかける場面、そしてアーノトルドに母として語りかける場面は、何故だか涙が溢れてしまった。

アーノトルドと母・ベッコフ夫人はそっくりだ。自分に正当性を持たせているところが。
この日は母との観劇だったのだが、母はやはりベッコフ夫人に感情移入していた。幾ら頭で判っていても、息子がゲイだとは認められない、男の子として育てたのに、突然女の子になっちっゃたら、それはやはり受け入れられないとのこと。
私は自分をとにかく認めて欲しいという、アーノトルドの心情に共感。

母と息子は一瞬触れ合い、結局母は何も告げずに去っていく。篠井さんと木内さんの素晴らしい台詞のやり取りに、酔い、そして泣けた。

とにかく篠井さんが素晴らしすぎる。さしとさんも健闘しているたのが、篠井さんの相手はやや厳しい。それでも新感線時代から見ている人間としては、良い役者になったと思う。
大ヒットだったのは、アランを演じた長谷川博己さん。二幕のみの登場だが、存在感もあり、容姿も綺麗。何といってもアーノトルドへの愛情が、痛いほど伝わってくる。幸せな結婚生活だったのだろうな、と容易に観客に想像させる。
それだけに無残に死んでしまったあとの、第三幕のアーノルドが痛々しかった。

非常に心に迫る作品でした。一度しか見られなくて残念です。
あ、DJの声、どこかで聞いたことがあると思ったら、池田成志さんだった!

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芝居・一般」カテゴリの記事

コメント

おひさしぶりです。
花梨さんと一日違いくらいで、私も観て来ました。とても稚拙な感想ですが、良い話だったな〜と案外ほっこりした気分で帰宅になりました。お陰で、夕飯を食べ損ねたことを11時半過ぎに帰宅した後に気づいた!
ただ、観ている途中に(もちろん3幕)この芝居は母と一緒には観難いだろうなぁ・・・なんて事を思ってしまいました。
実際ひとりでの観劇だったし、また伝芸とミュージカル以外の分野で母と一緒に芝居を観る事は殆どないのですが。
多分、母と一緒に観たら絶対に母はベッコフ夫人に感情移入するだろうな、と直感的に思ったからでしょうね、きっと。

こんばんは!

長谷川くん目当てで(あはっ)きょう観てきました。
篠井さんの舞台あまり見たことなくて・・・同じ観客としてや、劇場の外では何度か拝見しているんですが(笑)。

私も3部が一番好きかな。
来年の「欲望・・・」の再演楽しみですね。

まり寿々さん、こんばんは。
私は母と熱く語りすぎて、翌朝起きれませんでした。
確かに私ももう少し若い頃だったら、絶対に母とは見たくなかったですね。ちょっとリアルに迫り過ぎでしまって…。

真聖さん、こんばんは。
長谷川くん、私ははじめてでしたが、ホント良かった〜!私はさとしさんより良かったです(さとしさんファン、済みません。)。
来年の「欲望・・・」は、北村くんとですし、こちらも楽しみです。

本当にイイお芝居でしたねぇ〜。
このお芝居、お母様と一緒にご覧になったんですね。
お母様はやはりベッコフ夫人寄りで、
花梨さんはアーノルド寄りの意見なんですね。(笑)
これまた興味深い感想です。

ラジオのDJは成志さんでしたかっ!
私も、どっかで聞いた声だなぁって思ってたけど、
さとしさんの声なのかと思ってました。

麗さん、こんばんは。
三幕については、自分が親という立場にならないと、ベッコフ夫人視点では見られないかもしれませんね。
DJの声、私も聞いたことあるな〜と思ってたのですが、パンフに成志さんの名前がありました。

>花梨さま
やっと大阪に来て頂けました。美形揃いの中にあってさとしさんちょっと顔大きめですが格好良かったではありませんか。
ACT1の二人芝居がリアリティというか普遍性あるというかいいですね。まだ,まとめ切れてませんが80%書き上げました。

とみさま、こんばんは。感想の仕上がりが楽しみです。
さとしさんは格好良かったですよ!でも篠井氏と比べちゃうと、
演技力がもう少し欲しかったですが、大健闘だと思います。
『ひばり』もチケット取れたので、楽しみです。(何気にさとしの芝居によく行ってるなぁ。)

>花梨さま
風知草のとみです。皆様方のお母様の世代です。そして80歳の老婆が16歳の少年を…に共感する難儀な婆です。
拙宅の感想完成しました。20年という歳月は,もはやベッコフ夫人が目指した夫婦と子女を単位とする家庭が幻影で,様々な結びつきの家族のあり方があるという結論に達しました。と言うことは,脚本が先見性や予見性に優れていることを証明することになります。三幕は勝ち戦を誇るようで少し醒めました。
愛に生きたアランは素敵でした。
さとっさんを含め格好いい役者さん揃いで本当に良いお芝居でした。

とみさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
私はこの日は母と観劇しましたが、やはり母は「自分の子供がゲイだったら、
それは簡単には認められない」と言っていました。
20年前よりは、例えば離婚している家庭も当たり前になりましたが、
まだまだ少数派の人間は生きにくいと思います。
世間体に縛られるエドには共感しますが、やはり愛に生きたアランには憧れましたね。

花梨さん、どうもです。
感想をアップしたのでトラバさせていただきました。
役者の演技をジックリ堪能できる舞台でしたよね。
愛することに真剣に向き合うって、難しいけど素晴らしいこと。
この物語を観る度に、それを改めて気付かせてもらえる気がします。

midoriさま、こんばんは。
1988年の鹿賀さんの上演版を見ているとは、羨ましい限りです。
陳腐だけど、「人を愛すること」(恋人・親子の愛含め)を、
とても考えさせてくれる素敵な舞台でした。
そして役者さんがみな素晴らしかったですよね!

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