『朧の森に棲む鬼』 プレビュー公演
29日のプレビュー公演を三階で見てきました。今回残りのチケットは全て一階席。新感線は照明が凄いので、二階辺りでもあと一回見たいなぁと思いましたが、花道使用が多いので、一階で正解かも。花横も何回かあるので、今から楽しみです。
いや~阿修羅2000年の時は、花道の真ん中でお芝居したりして、アンケートに「見えない所で重要な芝居をしないで欲しい」と書いたものですが、花道を多々使っているとはいえ、そういうストレスはさすがに無かったです。
プレ公演初日にしては完成度は高かった。まだまだ固まっていない部分もありますが、まぁ過去何度か見た新感線のグダグダな初日(それでも懲りない新感線ファン)よりは、遥かに出来は良いと思います。
ただこんなものじゃないだろう的な思いはあります。もちろん面白くなかった訳ではないけど、たまに私がブログでレポするように、大文字で「凄くおもしろかった」と書いてしまうような、そういう突き抜けた所まではいかなかったです。
ただ過去大絶賛した舞台でも、初日にどんよりした経験もある(例:アカドクロ初日琵琶湖。あの日の帰りは暗かった。劇場近くに飲み屋は無いし。)し、固まってくれば大化けしそうな予感もあります。
とりあえず手持ちのチケットの束(は大袈裟)は、大切に、大切に観劇します!
以下ネタバレ有の感想
演出が最大のツボでした。市川猿之助オマージュですか?というくらい、猿之助演出を見慣れた人ならツボにはまります。
友人はスーパーっぽいと言ってましたが、私は歌舞伎っぽく感じました。特にクライマックスがモロ「宇和島騒動」!ウケました。
染ちゃんがいるいないではなく、演出が「歌舞伎」的で格好良かった!
それでもいのうえさんが上手いな、と思うのは、単なるパクリでは無く、ちゃんと自分の範疇に持ってきていること。「愛」があるのですよね。
私は蜷川さんの『十二夜』の演出が大嫌いなのですが、だって数ヶ月前に徒歩数分の劇場でやってたスーパー歌舞伎と、まんま同じ手法なんだもの。それで「斬新」とか何故煽る?世間でどんな好評で評価が高くても、私はどうにも納得がいかなかったです。
でもいのうえさんの演出にはそういう不愉快な感覚が無い。クライマックスの水は、まんま宇和島、歌舞伎でよくある見せ方だけど、いのうえさん、猿之助さん好きですか?にやり、という印象。見せ方が上手いのですよね。
プレだからまだバタバタした部分も有。(特にオープニングがいまひとつ締まらない。いのうえさんの演出にしては珍しいなぁ。)これは初日までにキッチリ修正してくると期待。公演中に色々と手を入れてきそうな予感。ワクワク。
ただ脚本の方向と演出の方向がブレている気がする。脚本はネタは素晴らしくおもしろいが、消化しきれてない感じ。かずきさんの脚本の欠点の部分が出たかな?
新感線の良さは、そこを演出の役者の個性でカバーする所なので、これも本公演から解消されていると思います。
世界観は一連のスサノオサーガの流れが強い。余りリチャード三世は感じなかった。むしろマクベス。ラストはリチャード三世というか、天保十二年のシェイクスピアっぽい。
役者陣はサダちゃんが凄すぎ。一番キッチリ脚本にも描かれているキャラクターだった。逆に中途半端な役割のキャラが多いというか。
特に残念だったのは古田さんのマダレ。あの脚本での薄い描き方、見せ場の無さはあんまりだ。新感線ファンが一番みたいのは古田さんだろうに。
古田さんに関しては、もう新感線のフィールドでは、魅力を出して貰えないのかも、とまで悲しくなった。スサノオシリーズの古田さんは凄く格好良かったなぁ…。
古田さんはもう夏のオポンチと蜷川さんの藪原検校に期待するしかない!特に藪原検校は楽しみだ。
というか、殺陣が今回印象薄かったのは何故?染ちゃんの華麗な殺陣と、古田さんのパワフルな殺陣がもっと見たかった。
衣装が最近団吾さんでは無いのは何故?さとみちゃんがまんまレッツゴー忍法帖でした(笑)。相手も同じサダちゃんだし。
取り急ぎプレビューレポ。次回は一階、しかも花横。凄い楽しみ!
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» 朧の森に棲む鬼 プレビュー公演 [レ・ミゼラブルの舞台]
2006年12月29日(金) 新橋演舞場 3階A席 私の個人的な演劇体験からす [続きを読む]
こんにちは。花梨さん
今年1年ありがとうございました。といってもまだ1日ありますけど(笑)
『朧の森に棲む鬼』 プレビュー公演、私も3階席でしたから、お近くだったのでしょうね。
本公演には、また違った仕上がりになってくるのでしょうかしら?
猿之助さんより、私は、ジャニース舞台に近くなったように見えました。
新幹線、やはりジャニーズめざしてるのか!って・・(笑)
私は、あと2回行きますが、相変わらず3階常連です。
来年もまたよろしくお願いします!
投稿: harumichin | 2006年12月30日 (土) 19時32分
こんばんは~
お引越しお疲れ様です。
ココログへようこそ!(でも、今日はgooのurl入れてますが)
「朧~」もう練れた頃にもう一度観たいけど
入れ込んでいる役者さんが出ていないと
リピートしない私…
(っていうか、正直、財政的に余裕がありません。)
花梨さんの、今後の観劇記を楽しみにしています。
投稿: yaya | 2006年12月30日 (土) 22時59分
harumichinさん、こんばんは。
引越し後の初コメント、ありがとうございます。
ジャニース舞台は逆に新感線でしか見てないので、どの辺りが似ているのかさっぱり判らないです。
今回三階割高なので、プレ以外は一階にしちゃいました。観劇貧乏に拍車かかります。
yayaさん、こんばんは。
新感線って、公演中にどんどん演出に手を入れていくから、きっとプレとは別物になっていそう…。
来年もよろしくお願いします。
投稿: 花梨 | 2006年12月31日 (日) 03時23分
花梨さま
プレビュー公演のご感想、ドキドキしながら読ませていただきました。
なにぶん期待が大きいものですから(汗)。
「古田新太の見せ場がない」っていうのが一番気になるところですが、
きっと毎日いのうえさんが1階後ろの席でデーンと構えてじっくり観て、
本も演出も手直しされると思いますので、今後に期待したいと思います。
大阪大楽ではどんなふうに化けているか逆に楽しみかも・・・。
今年も1年、花梨さんのブログを本当に楽しませていただきました。
ありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
投稿: スキップ | 2006年12月31日 (日) 05時25分
花梨さま
今年一年、花梨さまのブログをとても楽しく読ませていただきました。
毎回訪問するのが楽しみでした~
どうもありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願い申しあげます。
よいお年をお迎えくださいね。
投稿: 真聖 | 2006年12月31日 (日) 15時00分
コメントありがとうございます。コメント返しが遅くなり申し訳ありません。
★スキップさん
こんばんは。今年もよろしくお願い致します。
31日に見ましたが、すでに大進化していました。古田さんも存在感がぐっと増していました。
それでももう少し見せ場が欲しい~と、ファンはワガママを言ってしまいます。
★真聖さん
こんばんは。今年もよろしくお願い致します。
真聖さんは30日にプレビューを見たのですよね。感想読みました。
私も新感線は、朧の森のような路線の方が好きです。
投稿: 花梨 | 2007年1月 2日 (火) 01時26分